【高校】高校選手権 県内2紙引用
U-18
バスケットボールの第53回全沖縄選手権大会(主催・県バスケットボール協会、沖縄タイムス社)最終日 は19日、本部町民体育館で男女決勝を行った。男子は興南が美来工科を81―72で破り、3年ぶり5度目の優勝を飾った。女子は那覇が西原に63―61で 競り勝ち、2連覇を達成した。男女優勝校は、12月に東京で行われる第41回全国高校選抜優勝大会(ウインターカップ)への出場権を得た。
男子興南は展開の速い攻撃で序盤の主導権を握ったが、美来工が激しい守りで追い上げ、終盤はシーソーゲームになった。残り4分から興南は比嘉卓斗主将の3点シュートなどで連続7点を挙げ、突き放した。
女子那覇は61―61の同点で迎えた第4Q残り1分、パスカットからの速攻で2点を勝ち越し。集中した守りで西原に得点を許さず逃げ切った。
[ハイライト]
チーム力開花 全員守備貫く個々の力が、ついに束となった。強豪といわれて3年間、大舞台で結果を出せなかった興南が、ようやくチームとして実を結んだ。
美ら島総体出場を逃し、ユニホームを青から赤に替えて心機一転。立ち上がりから気合が入っていた。
「10秒で攻めるよう心掛けた」(比嘉卓斗主将)と、2年生エース上原大輝のミドル、三宅力の速攻な どそれぞれが個性を発揮し、第1Q開始2分足らずで10―3と先制に成功。今年初めまで、責任感を持たせるため1対1にこだわった守りは種類を増やし、こ の日はゾーンを敷いてチームディフェンスを徹底した。
それでもオールコートの守りから追い上げる美来工科に、第4Q残り4分半で68―68。ここで「『3 年生のために』という思いだけだった」と、チーム最多26得点の上原が真正面から切り込んで2点差をつけると、さらに三宅のミドル、比嘉の3点弾と続き、 粘る美来工科を退けた。
「チームの大事さを、子どもたちが気付いてくれた」と喜ぶ井上公男監督だが、完成度は「まだ半分」。要所で爆発した三宅も「みんなでつかんだ優勝だけど、今のままでは全国で勝てない」と油断はない。3カ月後、全国の舞台で進化した姿を見せる。(當山学)沖縄タイムス2010年9月20日 09時17分
バスケットボールの全沖縄高校選手権最終日は19日、本部町民体育館で男女の決勝が行われ、男子は興南が81—72で美来工科に競り勝ち3年ぶり6度目の 頂点に立った。女子は那覇が63—61で西原の追撃をかわし、2年連続2度目の優勝を飾った。両校は12月に東京体育館で行われるウインターカップ(全国 高校選抜優勝大会)の出場権を得た。
◆悔しさばねに成長 興南
3年ぶりにウインターカップへの出場権をつかんだ興南。美ら島総体の県予選で負けた悔しさをばねに「すべてを変えて」はい上がった。
今大会からユニホームカラーを濃紺から戦う色、赤へと一新。クールだった選手がシュートを1本決め、リバウンドを1本取るごとに、気持ちを前面に出し た。「個々の能力を鍛える」(井上公男監督)ため、守りは大会直前までマンツーマンにこだわってきたが、準決勝と決勝ではゾーンに変えた。個人の力で勝ち 上がってきた興南が、チームで守った。攻撃も平得文士や鈴木裕也がチームのためにオフェンスリバウンドに絡み、三宅力や上原大輝がチームプレーで得点し た。
主将・比嘉卓斗の「チームで戦えたからこそ勝てたと思う」という言葉には実感がこもっていた。◆圧巻終盤の守り 那覇
西原の追撃をかわし、2年連続の頂点に立った那覇。勝負どころを見逃さない、終盤の守りが圧巻だった。
61—61で迎えた残り1分半、那覇は宜保沙也佳がパスカットへ飛び出した。カットできなければ、即ピンチの場面だったが、宜保はためらわなかった。こ れが金城夏子のジャンプシュートにつながり2点を勝ち越す。続く西原の攻撃では、ゴール下でボールを持った西原のセンターを金城と高橋陽子が2人で守っ た。西原の3点シューターをノーマークにする大きな賭けだったが、金城が相手のパスをカット。シュートを打たせず、逃げ切った。
ゴール下を2人で封じるのは、試合の最後だけに見せたビッグプレー。金城は「県内最後の試合で、やってきたことが花開いた」と満面の笑みを見せた。琉球新報2010年9月20日